コーヒーブレイク(月刊レポート)/2024年6月号

マーシャル・エリオット・ギンズラー・バイナー交流員

トロントの6月、土佐日記

こんにちは。さがみはら国際交流ラウンジのマーシャル・エリオット・ギンズラー・バイナーです。梅雨の季節がやってまいりましたが、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

6月といえば、雨のイメージでしょうか。カナダ・トロントでは梅雨という気象現象はありませんが、6月は小中高生が学年を終え、夏休みが始まり、屋外イベント満載の夏が始まります。特に音楽・芸術フェスが多いです。様々なジャンルのライブが行われるCanadian Music Week、昔マイルス・デイヴィスが出演したことがあるToronto Jazz Festival、ライブも劇も楽しめるLuminato Festivalはみんなトロントの6月を飾ります。

先週、同僚と喋っていたら、「読書は好き?」と聞かれました。実は最近、全く読書していませんでした。「土佐日記の現代語訳を図書館で見つけたけど、面白かったよ!」と、聞いたことも無い本をおすすめされました。とりあえず図書館から借りて、ちょっと読んでみました。『土佐日記』とは平安時代の作品で、国司が任期を終えて土佐を出て、京都まで帰る道のりを描かれた旅行日記です。土佐日記には和歌がいっぱい出てきます。旅立っていく前国司に別れの悲しさの気持ちを伝えるために歌われる場面もあれば、贈り物に添えられる場面もあります。大切な人に気持ちを伝えるために語彙力を振り絞って美しい和歌に仕上げることが素敵だなと思いました。また、当時の時点で七草の日など、日本のさまざまな伝統文化がもうすでに人の生活に根付いていたのかと、感動しました。

皆さん、これからも暑さと雨が続きそうですが、くれぐれもお体に気を付けてお過ごしください。